<「あなたの人生の物語」を読んで>ブログ:ウォンウィンツァン
<「あなたの人生の物語」を読んで>ブログ:ウォンウィンツァン
久しぶりにSF小説を読みました。
見逃してしまったSF映画「メッセージ」が気になっていたんですね。
最近、宮台真司がその映画を評価していたのですが、ようやく世の中的に「こういう考え方」が認められ始めたのかな、と私は上から目線印象です。ww
でも彼の解釈を、そのまま鵜呑みにして、解った気になっても危ないので、そのうちDVDやBDで発売されるだろうけど、Kindle版で原作をDLしました。
原作の題名は「あなたの人生の物語」です。
最後は、感動してウルウルしてしまいました。
ストーリーは地球外生命とのコンタクト物ですが、中心的なテーマは人生哲学です。
「もし、自分の未来を予め知ることになったなら、あなたはどうするか?」
あなたはある男性と結婚し、子どもを産み、その子どもはいつか事故で死ぬことになり、その男性とも離婚し、そして死ぬまでの未来の物語をすべて知ったなら、その後、あなたはどう生きるだろうか?
未来予知や時間旅行はSFの古典的なテーマです。
あの大ヒットした「君の名は」は未来の危機を知った主人公が、村人に知らせることによって救う物語でした。
「バック to フューチャー」や「ターミネーター」も過去の書き換えによって未来を変えることがテーマでした。
でも「あなたの人生の物語」では未来を書き換えることは出来ません。
知ることが出来るだけなのです、、、
そのような設定の「メッセージ」は娯楽映画としては成功しにくかったかもしれません。
映画「メッセージ」はスピ系の映画だと解釈する人も多かったようですが、スピ系の人たちの間でもさほど話題にはなりませんでした。
80年代後半、バシャールなどが紹介され始めた頃、「偶然はない、全ては必然なんだ」という言説がスピ系の人たちの間に広がりました。
それはそれでとっても説得力があり、私も感化されたし、今もそう考えています。
私の人生は、必然であり、自分で意識されようが、されまいが、全て自身の選択なのだと。
そのような考え方は、物事に積極的に関わるモチベーションになりました。
自分の行動、人生を自分で責任を持つことになったわけです。
しかし同時に、自分以外、他人事に対してとても冷淡にもなっていきます。
国外で戦争が起きて多くの人が亡くなっても、それは彼等の選択なのだから、とか、、、
天変地異で亡くなった人たちに対しても、彼等のカルマだから、とか言った感じです。
共感感覚が希薄になっていったのです。
なので彼等は社会活動には消極的になりました。
例えば、「あなたの人生はもう予め全て決められている。貴方の自由意志はない」としたらあなたはその後どう生きるでしょう。
何をやっても、それは予め決められたことなら、あなたはあなたの選択に責任を持たなくて良いことになります。
それはあなたの選択ではないのだから、、、
例えば、未来を予知し、三年後に戦争が起きることが分かっているのに、それでもあなたは反戦デモに参加するのだろうか?
「あなたの人生の物語」の主人公はこう言います。
「残る 生涯、 たんに 事象 の 波 に 揺ら れ て 歩ん で いく のでは なく、〝 それら(宇宙人)〟 の よう に 事象の 必然性 の なか に わが身 を 浸し こむ こと が でき た かも しれ ない。」
「そもそも の はじめ から、 わたし は 自分 の 運命 を 知っ て い た し、 当然 の もの として その ルート を 選び も し た。 けれど、 わたし が めざし て いる のは 歓喜 の 極致 なのか、 それとも 苦痛 の 極致 なのか? わたし は 最小 と 最大 の どちら を 成就 する の だろ う か?」
私たちはSFのようには未来を予知できません。
勿論、占いや占星術、預言者という人もいるし、科学的な根拠から未来予測することも可能です。
でも、やはり未来は、永遠に未来であり、未知です。
出来事が起きて、はじめて未来は現在になり、「未来を思い出す」のです。
それらの未来を、もうすでにあなたは知っていて、思い出すように体験するのです。
「 しんぼう し て い た ま え。 諸君 の 未来は、 諸君 が 何者 で あろ う と、 諸君 の こと を よく 知り、 愛し て くれる 飼い犬 の よう に、 諸君 の もと に やってき て、 足下 に 寝そべる だろ う」カート・ヴォネガット
あなたの人生の物語 テッド チャン https://www.amazon.co.jp/dp/B00O2O7JEA/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_3meKzbDM3DC8W @amazonJPさんから
久しぶりにSF小説を読みました。
見逃してしまったSF映画「メッセージ」が気になっていたんですね。
最近、宮台真司がその映画を評価していたのですが、ようやく世の中的に「こういう考え方」が認められ始めたのかな、と私は上から目線印象です。ww
でも彼の解釈を、そのまま鵜呑みにして、解った気になっても危ないので、そのうちDVDやBDで発売されるだろうけど、Kindle版で原作をDLしました。
原作の題名は「あなたの人生の物語」です。
最後は、感動してウルウルしてしまいました。
ストーリーは地球外生命とのコンタクト物ですが、中心的なテーマは人生哲学です。
「もし、自分の未来を予め知ることになったなら、あなたはどうするか?」
あなたはある男性と結婚し、子どもを産み、その子どもはいつか事故で死ぬことになり、その男性とも離婚し、そして死ぬまでの未来の物語をすべて知ったなら、その後、あなたはどう生きるだろうか?
未来予知や時間旅行はSFの古典的なテーマです。
あの大ヒットした「君の名は」は未来の危機を知った主人公が、村人に知らせることによって救う物語でした。
「バック to フューチャー」や「ターミネーター」も過去の書き換えによって未来を変えることがテーマでした。
でも「あなたの人生の物語」では未来を書き換えることは出来ません。
知ることが出来るだけなのです、、、
そのような設定の「メッセージ」は娯楽映画としては成功しにくかったかもしれません。
映画「メッセージ」はスピ系の映画だと解釈する人も多かったようですが、スピ系の人たちの間でもさほど話題にはなりませんでした。
80年代後半、バシャールなどが紹介され始めた頃、「偶然はない、全ては必然なんだ」という言説がスピ系の人たちの間に広がりました。
それはそれでとっても説得力があり、私も感化されたし、今もそう考えています。
私の人生は、必然であり、自分で意識されようが、されまいが、全て自身の選択なのだと。
そのような考え方は、物事に積極的に関わるモチベーションになりました。
自分の行動、人生を自分で責任を持つことになったわけです。
しかし同時に、自分以外、他人事に対してとても冷淡にもなっていきます。
国外で戦争が起きて多くの人が亡くなっても、それは彼等の選択なのだから、とか、、、
天変地異で亡くなった人たちに対しても、彼等のカルマだから、とか言った感じです。
共感感覚が希薄になっていったのです。
なので彼等は社会活動には消極的になりました。
例えば、「あなたの人生はもう予め全て決められている。貴方の自由意志はない」としたらあなたはその後どう生きるでしょう。
何をやっても、それは予め決められたことなら、あなたはあなたの選択に責任を持たなくて良いことになります。
それはあなたの選択ではないのだから、、、
例えば、未来を予知し、三年後に戦争が起きることが分かっているのに、それでもあなたは反戦デモに参加するのだろうか?
「あなたの人生の物語」の主人公はこう言います。
「残る 生涯、 たんに 事象 の 波 に 揺ら れ て 歩ん で いく のでは なく、〝 それら(宇宙人)〟 の よう に 事象の 必然性 の なか に わが身 を 浸し こむ こと が でき た かも しれ ない。」
「そもそも の はじめ から、 わたし は 自分 の 運命 を 知っ て い た し、 当然 の もの として その ルート を 選び も し た。 けれど、 わたし が めざし て いる のは 歓喜 の 極致 なのか、 それとも 苦痛 の 極致 なのか? わたし は 最小 と 最大 の どちら を 成就 する の だろ う か?」
私たちはSFのようには未来を予知できません。
勿論、占いや占星術、預言者という人もいるし、科学的な根拠から未来予測することも可能です。
でも、やはり未来は、永遠に未来であり、未知です。
出来事が起きて、はじめて未来は現在になり、「未来を思い出す」のです。
それらの未来を、もうすでにあなたは知っていて、思い出すように体験するのです。
「 しんぼう し て い た ま え。 諸君 の 未来は、 諸君 が 何者 で あろ う と、 諸君 の こと を よく 知り、 愛し て くれる 飼い犬 の よう に、 諸君 の もと に やってき て、 足下 に 寝そべる だろ う」カート・ヴォネガット
あなたの人生の物語 テッド チャン https://www.amazon.co.jp/dp/B00O2O7JEA/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_3meKzbDM3DC8W @amazonJPさんから
by wtwong
| 2017-08-13 21:20