2012年 11月 12日 ( 1 )

この世界は、なんとも生きづらい場所だと気づいたのは、確か十代の後半だったと思う。
私はこの世界にどうもそぐわないのだ。
ある時、日本にいる外国人を「エイリアン」と呼ぶのだと、入国管理事務所で知った。
そう、私はエイリアン(異邦人)なのだ。
ピアニストとして演奏活動を始めたのは40歳にもなってからだ。
あるコンサート主催者が、そのポスターに「月からやってきたピアニスト」とサブタイトルを付けてくれた。
その時、やっと気づいたのだ。
私は月からやってきたのだ。
この地球にそぐわなくても仕方がないことだったのだ。
それからというもの、この地球に住むことがやけに楽しいものになってしまった。
私は月からこの地球へやってきた旅行者だ。
まるで国外旅行のような気分でこの地球のことが興味深く、そして人々のことが愛おしく感じられるようになった。
そして、私は何かの役割があって、月から地球へ使わされた使者なのかもしれないと、思い始めた。
私は月を見上げながらよく思う。
「あそこに帰るのはいつになるかな、、、」
あそこは懐かしい故郷。
でも急いで帰りたいわけじゃない。
役割が終われば自ずと帰ることになるだろう。
その時まで、この世界を十全に生きよう。
感じるまま、魂の赴くまま、生ききろうと、月を見上げながら、いつもそう思うのだ。

ウォンウィンツァン
2012/07/25

(以上の文章は「月と季節の暦」の為に書かれました。)
http://tsukigoyomi.jp/

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by wtwong | 2012-11-12 01:38 | essay