<   2013年 08月 ( 1 )   > この月の画像一覧

f0236202_9265494.jpg

<原発は核兵器として有効か、原発によって東アジアの安全を保障できるか、それとも、九条は和平に有効か>

 最近、政府やマスコミは、原子力発電所を日本に導入したその背景に、安全保障の問題があることを、ようやく認め始めた。要するに原発が科学技術としても、経済性も、事故のあとの保証の問題も、破綻しており、合理性がないことを、認めざるを得なくなってきたのだ。それでも安全保障、核の潜在的抑止力として必要なのだということを、隣国との緊張を強調して洗脳し始めている。原発から排出するプルトニュウムは、必要とあらば一年以内に核兵器に使うことが出来る。すなわち、原発はやはり潜在的な核兵器なのだ。

 尖閣問題が持ち上がった時、私は反原発運動をしているひとが、尖閣は日本の領土だと、中国に怒りをぶつけているのは、矛盾していると指摘した。原発は安全保障問題と切り離せないことを、わたしは言及していたが、ようやく議論の焦点が明確になってきた。原発が潜在的核抑止力だと、一般の人に信じさせたい層にとって、中国との緊張は、原発を続けるために恰好の理由になる。

 石破は、中国や北朝鮮、ロシア、はたまたアメリカも核爆弾と弾道弾ミサイルを保有していて、万が一ということがありえる。フクイチによって安全神話が崩れたように、東アジアの安全保障も突き詰めて考えねばならないと、、、自ら中国との緊張を煽っていながらよく言うよ、と思う。

 NPT(核非拡散条約)に批准し、日米原子力協定に結んでいる以上、ダイレクトに核爆弾を保有することは許されないし、国民からもアメリカからも同意が得られない。有り余るほどのプルトニュウムを、核兵器にいつでも転嫁できる状態にしておくために、MOX燃料として原発に使っているポーズをとり続ける必要が、協定上、あるのだ。なので危険性を顧みず、原発を再稼働しようとしている。それをアメリカも望んでいるとも言う。アメリカは日本が核兵器を保有するのを恐れている。前科があるから。原発という形なら、技術も失われないし、ウランや技術の提供で設けることも出来る。しかし忘れてならないのは、中国に核兵器の技術提供をしたのは他ならないアメリカだ。

 フクイチが示したように、安全神話はもろくも崩れた。安全保障神話も崩れる可能性があるのだと言う。しかし核兵器が飛んでこないという保障はないというなら、再稼働して事故が起こらないと、もう誰も言えない。核戦争は万が一でもあると言うが、地震国日本では、第二の原発事故の可能性のほうがよほど高い。また、もし戦争になれば一番最初に標的にされるのが、海岸に乱立している原子力発電所なのは、戦略など知らない一般市民だって容易に想像できる。もう一度事故が起きれば、日本は本当にどうなるか判らない。

 そもそも隣国との戦争の可能性はどれだけあるのだろうか。昨年、中国共産党の演出で、反日暴動が起きた。しかし中国国内で民主化運動をしている知人が言うには、反日感情は反政府(反共産党)感情の1/10も無いという。軍事費が高騰しているが、そのほとんどが国内の治安維持のために使われている。そのぐらい中国国内は不安定なのだ。もし戦争になれば、中国国内はボロボロになる。それは日本も同じだ。今の経済状態、震災の復興の必要など、戦争など起きた時のダメージは計り知れない。

 何よりも日本とアメリカ、中国は世界の三大経済国のスティックホルダー(利害関係)はノッピキならない所まで来ている。アメリカの国債を一番多く保有し、アメリカ経済を支えているのは他ならない中国だし日本だ。数ヶ月前、オバマと習近平とで8時間に及ぶ会談があった。少なくともアメリカと中国間での戦争の可能性はかなり少なくなった。もし戦争など起きようものなら、この三国ともボロボロになるだろうことは、国を司る地位にいるものなら承知のことだ。

 しかし国がボロボロになっても戦争を喜ぶ輩がいる。 日本と中国が戦争になって喜ぶのは軍需産業だ。アメリカ国内、中国国内、そして日本国内には戦争で儲けたい企業がある。中東を見ればわかる。火種が耐えない中東でアメリカの軍需産業はどれだけ儲けていることだろう。今、隣国との緊張を煽っている連中、憲法改正、自衛隊の防衛軍化、集団的自衛権を進めている連中がどこに属する人々か、よくよく知らねばならない。彼らは日本のこと、国民のことなど考えていない。

 原発の核抑止力など、絵に書いた餅でしかない。戦争を抑止する力になっているとは幻想にすぎない。もし戦争になれば、日本が原爆を製造する前にミサイルは飛んでくるだろう。日本と中国に戦争をさせたい輩にとって、そんな事はどうでもいいのだ。そして九条を改定すれば、いつでも戦争は起こすことが出来るようになる。九条は今まで日本を守ってきた、朝鮮戦争の時も、ベトナム戦争の時も、、、。アメリカは朝鮮戦争で日本に代理戦争をさせたかった。ベトナム戦争で、5000人韓国兵士が犠牲になったことを忘れてはならない。現実的に九条は日本国民を守ったのだ。

 原発、核抑止力による和平など、実際にはあてにならないだろう。九条は現実的に有効だったのだ。今日本の平和を守るためには、九条の堅持と、根強い和平交渉しか無い。隣人と断絶し、反目しあって、いったいなにか良いことがあるだろうか。穏やかで実りのある生活や豊かさを得るには、お互いを理解し、信頼を確立すべきことは、少し知恵がある者ならだれでもわかる。戦後のヨーロッパから、わたし達は学ばねばならない。政治家にしろマスコミにしろ、緊張を煽る連中を、信じてはならない。勇ましい旗をふる輩を信じてはならないと、戦争体験者が声を大きくしている。
[PR]
by wtwong | 2013-08-19 09:27 | essay