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「青の龍(Blue Dragon)」 (草場一壽氏とのコラボレーションについて)

新しい二枚組のCDの予定していたタイトル「レインボードラゴン」は「青の龍(Blue Dragon)」に変更になりました〜〜www
リリースは8月中旬ですね。ジャケットアートは、草場一壽さんの陶彩画「竜宮からの使い」で〜〜す。

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「Rainbow Dragon (虹龍)」
(草場一壽氏とのコラボレーションについて)

私たちの住んでいる世界は「光と影」の世界だ。
具象の次元、三次元の世界では「光」があれば、必ず「影」がある。
どうしょうもなく「影」があるのだ。

しかし非具象の次元、超越の次元には「光」しかない。
「影」というものがない世界があるのだ。
私たちは奇跡的にその世界を見ることがある。
深い瞑想体験や、臨死体験などで、光の世界をかいま見てしまうのだ。
そこでは全てが光りに包まれている。
強烈な光のビームをまとった、まるでギリシャ神話に出てくるような人格神が、私たちに微笑みながら、振り返るだろう。
そして、圧倒的なエクスタシーの中で、歓喜にうち震えるだろう。
ある人達はそれをピーク・エクスペリエンス(至高体験)と言う。

しかしそんな奇跡はとっても稀有なことだし、生身ではそこに居続けることは出来ないのだ。
私たちは奇跡を目撃し、そして否が応でも「光と影」の世界、「現実の世界」に連れ戻されるのだ。
そして、それからの人生は、その奇跡的な体験を追い求めて、永遠に「光の世界」に憧れ続けるのかもしれない。

陶彩画家、草場一壽氏の作品には「影」がない。
彼は完璧な筆使いと、揺るぎないフォルム、そして有田焼の伝統技術を革新し続けながら「光の世界」をその作品に具現している。
彼の執念の起点には「光の世界への圧倒的なあこがれ」があるのだろう。
作品の制作の忘我の只中で、光りに包まれて、身悶えしているのかもしれない。

私の音楽といえば、相変わらず、その音律から「かげり」を払拭できずにいる。
どうしょうもなく「影」というものが表出されてしまうのだ。

「光と影の世界」にさまよう人間にとって、草場氏の作品に強く惹かれながらも、いささかまぶしく感じられる。
チベットの死者の書に、人間は死後、49日の間、魔界をさまよった後、圧倒的な光に恐れをなして、現実の世界に戻って来てしまうのだ、と書かれている。
恐れなければ「光の世界」に入ることが出来たのに、恐れのために、再び現実の世界に戻り、輪廻転生を繰り返すと言うのだ。
私は草場作品の圧倒的な光に恐れをなしているのだろうか、と自嘲ぎみに我を振り返ったりしてみるのだが、、、、

光の世界にいる草場氏が、なぜか、未だに「光と影の世界」にさまよっている私と一緒にCDを制作したいと申し出てくれた。
なぜ私などと一緒にやりたいと思ったのか、問いただすと、長い間私の音楽に憧れていたと言う。
私とコラボレーションをしたいという想いはとても強いと感じられた。
光の世界に生きる草場氏は、存外「影」というものに惹きつけられているのかもしれない。

我が<さとわミュージック>の秘蔵っ子デザイナー&アート・クリエイターの美枝子さんが、そんな二人の仲介役となって、素晴らしいCDジャケットを仕上げつつある。
CDのタイトルは「Rainbow Dragon (虹龍)」となった。
美枝子さんのカリグラフィーは私のCDには無くてはならない「顔」になりつつある。
今回も是非楽しみにして欲しい。

昨年2013年の10月に、コンサートのリハーサルを兼ねて、録音されたインプロヴィゼーション(即興)のストックがある。
CD「月の音階」で提示された今の私の音楽性を、より鮮明に、より迷いの少ない演奏で、いつか何らかの形でリリースしたいと目論んでいた。
今回、草場氏がコラボレーションの申し出があったとき、そのことがすぐ頭に浮かんだ。
編集やマスターリングを進めてく作業の中で、なかなか一枚のCDにまとめることが出来ず、結局二枚組となった。
自分の音楽への執着が強く、どの演奏も捨てられなかったのだ。
どの演奏も、私の「命そのもの」だと感じている。

さて、草場氏や、彼の事務所である<今心工房>のスタッフは、私の希望を全面的に受け入れ、ネガティブな波動を一切感じさせないでくれている。
やはり「光の世界」に住んでいる人達なのかな、、、
お陰で、作業は順調に進んでいる。
「Rainbow Dragon (虹龍)」は、7月中か、遅くとも8月にはリリースされるだろう。
是非、草場作品によるジャケット、美枝子さんによるカリギュラフィとデザイン、そして私の音楽を、皆さんに堪能してもらいたい。
(草場氏、今心工房のスタッフの皆さんに心から感謝を込めて、、、)

ウォン・ウィンツァン
2014/06/21
by wtwong | 2014-06-22 23:53