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<私たちは武器を信じるのか?>

<私たちは武器を信じるのか?>

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 911から始まった対テロ戦争は、アフガニスタンとイラクを、結局泥沼に化し、多くの一般人犠牲者を出した。そしてそれはISISという最悪なテロ集団を作り出す原因にもなった。ISISをアメリカなどが空爆し始めた頃、また同じことを始めるのかと思ったし、即止めるべきだとも思っていた。

 そんなころ私はある中東で子供達の救済活動するNPOの方とお話したことがある。「空爆してもまた同じじゃないんですか。他の方法を考えるべきでは、、、」するとその方は「でも、もうここまで来たらISに対し武力を行使する以外に道はないと思います」と、とっても苦しそうにお話された。私は東京に住んでいて現場の事情なんか想像もつかない。偽善的な平和主義を唱えて一体何になる。

 ロシアがIS空爆を始めた時、私は肯定した。それしかないんだろうと思うし、アメリカの空爆とは明らかに違うことも見て取れた。でも、空爆下には、たとえ極悪テロ組織だとしても、彼らの家族がいる。子供達もいる。私たちはなすすべもなく、引き裂かれる。

 もしロシアの空爆によってもISを掃討できず、シリアに平和を平和を取り戻すことが出来なかったら。私たちはもう二度と武力というものを信じないだろう。でも、もしまかりなりにも平和を実現できたとしたら、国際世論は武力をまた肯定するのだろうか、、、、恐ろしいことだ。

 二週間ほど前、あるワークショップに参加した。その中でゲームを参加者全員でやったのだが、それは、企画者が用意した「様々な石ころ」を使って、自由に遊ぶというものだった。参加者たちをいろいろクリエイティブに遊ぶ中で、私は小学高学年の頃、友人と渓流にハイキングに行った時のことを思い出した。私達のゲームは、川の両側から石を投げ合って戦争ごっこをすることだった。石は対岸の岩石にあたって「コキーン」と森のなかをこだました。石だから当たれば大変なことになる。それでも私たちは夢中で遊んだ。その時、私は頭部に強い衝撃を受けて、目の前が真っ白になった。

 石を投げる。なんとも原始的な戦闘方法は、例えばパレスチナの子供達や、革命運動などでは、廃れること無く、敢えて言えば今でも抵抗の主流だ。たとえそれが戦車などに無力だとしても、、、

 人類が最初に持った道具とは、例えばそこら辺に落ちている石を外敵に投げつけるようなこと、すなわち武器だったのではないだろうか。「2001年宇宙オデッセイ」の冒頭部分は、類人猿が外敵と戦う時に武器を持ったほうが勝利したシーンだったのを皆さんも覚えていると思う。そしてそこに黒々と屹立して、状況を神のように凝視していたのがモノリスだった。類人猿が敵を骨のような棒で外敵を強打し、打ち勝つ。その勝利の雄叫びとともに、骨の武器を中空に放り投げた。そして回転しながら中空に投げられた武器は、宇宙でゆっくり回転する宇宙ステーションにオーバーラップされる。人類最初の道具である骨の武器から、宇宙ステーションという高度な科学の結集に、連なっているということを、一瞬で象徴した見事なシーンだった。あのシーンに流れる「美しく青きドナウ」とあいまって、深く感動したものだった。

 さて、人類の戦争は技術革新と切り離せない。殺傷能力が高い武器を所有したほうが勝利すると信じられている。日々革新されていて、今では航空母艦すら戦略的には意味がなくなっているという。ミサイルが一発当たればそれで終わりなのだ。今はミサイルの射程距離と命中精度が格段と伸び、例えば中国から日本のどこにでもミサイルを打ち込むことが出来る。日本全土が射程距離内に入っているのだ。もし戦争になったとしたら嘉手納基地や横田基地がまずやられて、54基の原発が攻撃されれば日本は壊滅する。ミサイルを防衛する手立てはない。辺野古に基地を作っても、戦略的には何の意味もないのだ。

 それでも安倍政権は5兆円も出費して、アメリカの武器産業に貢いでいる。日本の軍事専門家は一体どういう軍事シュミレーションをしているんだろう?アメリカのシンクタンクは台湾近海で中国と戦争が起きたら負けるだろうと予測した。つまりもう日本近海で戦争が起きたら、中国にはどの国も勝てない。日本に残された道は中国とは勿論、近隣諸国との友好関係の強化、平和外交の決めの細かい、確実な関係性を築く以外に道はないことは、もう自明なことだと思う。つまらないプライドを固持するだけでは、日本を窮地に追い込むだけだ。

 さて、人類の技術というものは武器を持つことから始まったのか?多分そうだろう。文化人類学者に聞いてみたい。そして私が知りたいのは、人類は武器からいつ卒業するのだろうか?ということだ。つまり人類は戦争というものを選択しないと、いつ決めるのだろうか?巨大に膨れ上がった武器産業は死活をかけて戦争を仕掛けてくるだろう。戦争を起こす謀略は幾らでも計画されている。今までそうしてきたように、、、

 例えば尖閣に中国軍が上陸したなどと幾らでも言える。先日の靖国爆発騒動のように、北朝鮮テロ組織がパリのテロのようなことを起こすかもしれない。偽旗作戦は謀略の主流だ。何が起きても不思議じゃない時代に入ったのだ。その時、日本世論は不戦、非戦の覚悟でいられるのか?日本政府が隣国と戦争を起こそうとしている時、ノーという覚悟を私たちは持てるのか?私たちは突きつけられている。私たちは日頃から何度も自分に問わねばならないと思う。
by wtwong | 2015-12-26 04:05