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医療従事者対象の、死と再生のワークを終えて ウォンウィンツァン

<命の育みを見つめて>

(医療従事者対象の、死と再生のワークを終えて)

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 昨日は、ある病院内で、医療従事者を対象に「デスワーク(命の育みを見つめて)」をさせていただきました。

ターミナルケアの現場で頑張っている看護師さん、先生、作業療法士さん、事務の方、16名ほどが参加されました。

普段から死に直面されている方々なので、ワークショップは、予想された以上に、内容の濃いものになりました。

患者さんたちに何時も向き合っている方たちの体験は、私達の想像を超えた、とっても切実なものです。

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 今回は始めに、昨年の父の看取りを、写真を見ていただきながら、その経緯と、その時その時、私たち家族がどう対応したか、シェアしました。

私たち家族が、そして看護師さん、介護士さん、先生たちと、どのように父の死のプロセスに寄り添っていったのか、、、

そしてその時時で、私たちが迷ったこと、助けられたこと、或いは父にして上げられなかったこと、上げたかったこと、そして父の看取りの瞬間、さまざまなエピソードを交えながら、シェアさせていただきました。

私たちの話と写真を食い入る様に見てくださり、そして彼等が率直に感じていることをお話してくださいました。

なんと深い有意義なシェアだったのだろう、と今もその時の感動、覚めやらずです。

そして、彼等もまた、私たちと同じように、死に直面している人たちにどう寄り添ったらいいのか、日々悩み、迷い、考え、苦しんでいることもわかったのです。

彼等の言葉の一つ一つに、深い愛情が伝わってきました。

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 ワークショップは、私たちが用意したプログラムに沿って、ひとつひとつ死について、実感していきます。

やり残した仕事ワーク、人生の総括ワーク、

もう一度人生を歩むことが出来るとしたら、

そして遺言ワーク、、、

仮定された条件のもと、それをノートに書き込んでいきます。

ふと気づくと、皆さんは目頭を抑えながら、或いはティッシュで拭いながら、一生懸命、テーマに沿って書いているのです。

書き込んだノートの内容を、お願いしてシェアしてもらいました。

ワークショップでは強制はないので、シェアしたいと思う人だけがお話されます。

お一人の想いは、けっしてその人だけのものではないので、お話を聞きながら、皆が共感しているようでした。

姉弟や親子の関係を、自分が旅立つ前に和解したいという方がいました。

また、自分が旅立ったあと、残される家族たちへの想いもとってもリアルなものでした。

とっても印象に残ったことの一つに、自分達の職業に誇りと自信をもっていて、自分の人生ではこの職業を全うしたい、もう一回人生を歩むとしても同じ職業を選ぶだろうということをお話されていました。

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 そして、最後は旅立つ人と、看取る人に別れて、擬似的な死の体験をしてもらいました。

あえて言えば、心理劇というか、サイコドラマ的な手法です。

その時、旅立つ人の最後の言葉、看取る人の投げかける言葉、仕草、、、

頭で考えるのではなく、その時、どのような情動が沸き起こるのか、擬似的な体験ではあるのですが、それでも偽りのないその時にしか発することが出来ない言葉や態度を経験します。

そして死の世界にさまよいながら、さまざまな体験をして、やがて再生するのです。

その一部始終をインストラクションをしながら、私自身も深い体験の中に漂います。

参加者の中には母親と娘さんがペアになり、娘さんが母親を看取る体験をされていました。

それらを見守りながら、私たちも深く、感情が揺さぶられていきます。


 そして最後のシェアリングの時にお話されたこともとっても腑に落ちることでした。

患者さんたちの死に向き合うことは多くても、自分自身の死に向き合う機会がある訳ではなかったのです。

患者さんにして上げていることが、実際に自分が死を体験している時、もっとやってほしいことに気がついた。

そして、患者さんの残された人生と、その家族たちに思い馳せていること、そんなお話もしていただきました。

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 約5時間のワークショップはあっという間に過ぎていき、最後のシェアリングは充分な時間とは言えませんでしたが、短い時間でも皆オープンに話をされていました。

普段同僚同士でも今回のように話し合うことがなかったこと、そして今回でお互いの信頼感が深くなったこと。

私たちは彼等のお話を聞きながら、その愛情の深さ、患者さんとその家族への深い思いやりと、日々の葛藤の中で、一つ一つ丁寧に向き合っていることに感動し、こみ上げてくるものを抑えるのがやっとでした。

本当に素敵な体験をさせていただきました。

そして私達が祈るように思うことは、そのような過酷な日々の魂の業務をこなす中で、燃え尽きないでほしい、自分のことを大切にしてほしい、ということでした。

それはご自身のためだけでなく、家族のために、そして私達の旅立ちのために、、、

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今回のワークショップのためにケーキやコーヒーなど準備してくださった有志の方たちにありがとう。

そして、このワークショップを企画してくださった工藤綾子さんに心から感謝です。

ほんとう、みなさん、ありがとうございました。


最後は、美枝子さんのボディーワークで体をほぐし、現実に戻って、解散になりました。

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ウォンウィンツァン ウォン美枝子

2018-04-29

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by wtwong | 2018-04-29 09:28