<ピアノとの宇宙的な出会い、、、>
<ピアノとの宇宙的な出会い、、、>

よく言われるのが、まあ、褒めてくれているんだと思うけど、
「ウォンさんは、どんなピアノでもウォンさんのサウンドですね~~」、、、
そう言ってくれるのは嬉しいことなんだけど、めちゃ苦労していたりする。
美枝子さんなんか「ピアノの状態が悪いほうが良い演奏するね」なんて、
人の苦労を知らずに言うもんね、、、、
つまり、手懐けにくいピアノほど、なんとか自分の音楽にしようと努力するので、
その分、神経をとがらせて演奏していると言うことはあるのだけど、
大変なんだからね、、、
どんなピアノでも良いと言うことではないですよ~~~
ピアノにはグレードがある。
電子ピアノより、アップライトピアノのほうがいいし、
それよりグランドピアノのほうがいいし、それよりもフルコンサートピアノのほうがいい。
使っている材料のグレードだったり、技術のグレードだったり、時間をかけたり、、
では、グレードの高いピアノのの方が音楽性が高いのかというと、
実はあまり関係がない。
どんなピアノでも、ピアニストのコントロールに応えてくれるピアノであれば、
電子ピアノでもアップライトピアノでも、オーディエンスに伝わる音楽性の質に差はない。
最高級のピアノで、ボロボロの演奏しても、音楽は伝わらない。
アップライトでも、ピアニストにちゃんとコントロール力があれば
音楽は伝わるものなんだよね。
要するに、演奏して、自分の音楽性が発揮できたなら、
どんなピアノであろうとも、最高のピアノなんだよね。
音楽性は、もし音楽家に表現力があるなら楽器は選ばない。
だから、アップライトのピアノの私の演奏を聴いて感動してくれたなら、
それはそのピアノが私にとって最高のピアノだったのですよ。
グランドピアノだったらもっと良かったに違いない、なんてことはまずない。
それじゃあ、アップライトや電子ピアノでもいいじゃんということになる。
それも、やっぱり困るんだな~~
アップライトピアノで申し訳ないと思う必要もないし、
でも「アップライトでいいだ~」と思われるのも、んん~~
ピアニストなら、当然だけど良いピアノに出会いたい、、、
でも、結局、一期一会なんだと思う。
大きな次元で言うならば、
宇宙的な采配が、そのピアノを弾けと言うなら、
私は躊躇なく演奏します、と言うことなんですよ。
大きな宇宙的な流れが、そのピアノに私を導くものがあったなら、
それがどんなピアノだろうが、
私は演奏します。
以前、ある会合で、ある僧侶が私に突然、その場にあるピアノを指して、
「あれで演奏して欲しい」と言われたんですね。
でもそのピアノは30年以上は調律していないし、
埃が積もっているし、
弦は錆びまくって、
何本か切れているし、
鍵盤が剥がれているし、
ハンマーも戻ってこないやつもあったり、、、、
私が出会ったピアノのの中で、ワーストNo1か2ぐらいだった。
リハーサルする時間さえない、、、
でも、何か何処かで自分がこのピアノを演奏しこなせると、
確信がやってきた。
良い演奏ができるかどうかなども考えてはいない。
ただ、そのピアノを私は演奏するんだ、と言うことだけだった。
演奏が終わって、皆んなが感動してくれた。
でも、その後、何年たっても、その僧侶に
「ウォンさんの演奏、あの時が一番良かったね」
なんて言われたりする。
困るんだよね~~~汗